なぜ優秀な人ほど騙されるのか?
「ブラック企業」を経営視点で解剖する。
「ブラック企業」という言葉は、しばしば「厳しい会社」と混同されます。しかし、この講義における定義は明確です。それは、「従業員を使い潰すことを前提にビジネスモデルを構築している組織」のことです。
彼らは「悪意」で動いているのではありません。「経済合理性(コスト削減)」のために、あなたを消費します。だからこそ、感情論ではなく、冷徹な経営視点を持つことでしか、その罠を見抜くことはできないのです。本稿では、採用プロセスに潜む構造的な欠陥を暴いていきます。
最初の罠は「入り口」にあります。ブラック企業ほど、自分たちが選ばれないことを知っているため、過剰な装飾を行います。
求人票にこの言葉を見つけたら警戒してください。これは、給与や福利厚生といった「誇れる客観的な条件」が何もないことの裏返しです。また、「採用活動に慣れていない(専門知識がない)」ことの表れでもあり、入社後に公私の境界線が曖昧な「なあなあの関係」に巻き込まれるリスクが高まります。
また、「Webサイトが異常に綺麗」な場合も注意が必要です。採用コストをかけて美しいサイトを作ることは、資金さえあれば可能です。「サイトが綺麗だから優良企業だ」という判断は、詐欺師が一番いいスーツを着ているのと同じで、何の意味も持ちません。
面接は、企業があなたを評価する場であると同時に、あなたが企業の「民度」を測る場です。以下の3つのシグナルを見逃してはいけません。
営業職で「ノルマなし」と書かれていても、信じてはいけません。ビジネスである以上、数字の責任は必ず発生します。「目標」「コミットメント」と言い換えられているだけで、実態は厳しいノルマがあるケースがほとんどです。
「試用期間だから」といって、給与が極端に低い場合があります。しかし、都道府県ごとに定められた「最低賃金法」を下回ることは違法です。ここを守れない企業は、他の労働法(残業代や有給)も守らないコンプライアンス意識の低い企業です。
そして最も重要なのは「価値観(Culture)」の一致です。どんなに条件が良くても、企業理念や価値観が合わない場所で働くことは、精神を摩耗させ、お互いを不幸にします。
最後に、定性的な「雰囲気」ではなく、定量的な「データ」で判断する方法をお伝えします。
ここまでの内容を理解していれば、あなたは「捕食者」を見抜く眼力を持っています。
全10問、経営者の視点で回答してください。